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『南三陸町歌津レポート』

IMG_3634917.jpg 『南三陸町歌津レポート』 先週末は山形県のLADE工房を出発し秋田県はRemovalでの受注会、岩手県はNarrowsでの受注会、そして宮城県南三陸町歌津によってまた山形に帰ってきました。東北4県を全て下道で軽自動車でのんびり走り抜けあっという間の東北トリップだったわけですが東北のでかさをしみじみ感じてきました。 Removal、Narrowsともにビーニー受注会は大盛況でした。来ていただいた多くの皆さん、本当に有難うございました。どちらもわざわざ受注会の開催のない青森から来てくださった方々もいて感謝感謝です。 さて、せっかく岩手にいるのだからとトリップを1日延ばして帰り足に南三陸町歌津によってきました。 LADEのFishermanビーニーを編んで、縫製してくれている歌津の皆さんの顔を久しぶりに直接拝見できて本当によかったなと思える寄り道になりました。すでにこのFishermanビーニーに関わっている方で一人の方を除いて皆さんが高台移転し新しく家を建てられ仮設というには長すぎた仮設住宅から退去を完了されました。そしてなかなか高台の造成が進まなかった最後のお一方もこの夏ついに引っ越しが決まりお盆明けに上棟式の予定で年内には引っ越しが完了するということで大変喜んでいました。ありがとうと言っていました。 数年にわたって今でも多くの皆皆さんにはFishermanビーニーをサポートしていただき本当にありがとうございます。簡単な報告ではありますが、LADEのFishermanビーニーに絡んでいただいた歌津のお母さんたちはこれで皆さんが新たな家に引っ越しを完了され海の漁の仕事も人それぞれではあり元どおりではないにしても再開されて行っています。今回一番印象的だった漁師さんの言葉は「津波で海がかき回されて綺麗になったから、ワカメにとっては良かったんだ。ここのワカメはうめぇぞ。」と。ポジティブなんて簡単な一言では片付けられない当事者の言葉が効きました。まっすぐ目を見られながら取ったばかりのワカメを思い切りいい漁師の男前な量でいただきました。 ほとんどの皆さんが仕事に戻られたものの、今回せっかく覚えた編み物の手仕事を今後も続けていきたいとおっしゃってくれたので量は減るかもしれませんが今後も変わらずFishermanシリーズは継続です。量が減ったことは喜ばしいことだと思っていただいていいのかと思います。それでもやはり引き続きサポートいただければ幸いです。 ただ、まだまだ少し見て回った以前行ったことのある仮設住宅には高台移転の決まらない方で未だ仮設の方も多くいらっしゃいます。高台の造成や住宅建設で歌津も山の方は風景が新しくなっていましたし、南三陸町の中心地志津川はそれはすごい量のトラックや重機が行き交い土木工事のラッシュが続いています。一見復興は勢いよく進んでるようで、でもしかし商店に立ち寄ってみるとそこにはまだ何も変わらないというか、震災後進捗のないこともたくさん感じます。この大規模な復興事業が終了し、今いる作業や工事に従事するたくさんの人がいなくなった先はどうなるのだろうと感じた次第です。 一つ言えるのは、みんなが震災をあの津波の被害をここで起きたことをこの先も忘れないでいてほしいということです。今のこの世代の自分たちは、思い返すとちょっとやそっとでは元に戻ることはありえないということが起こっていたのをすぐに思い出せるかと思います。たった5年、もう5年ですが、この先も国とか行政がではなく一人一人が被災地に興味を持ってい続けて欲しいです。 大規模な防潮堤の建設とか大規模な土木工事とか復興費用にいくらかけるとかそんなことではなく日本に住んでいるごくごく普通の一般の人たちがお互いにお互いが気をかけあって、できる範囲でできることをしたりしてつながりがあるっていうのが大切なんじゃないかなと、南三陸町の今の風景を見て感じたことです。