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「福島原発事故を正しく理解し、那須町を希望の砦にしよう!」

今日はりんどう湖ロイヤルホテルに非電化工房の藤村靖之先生の講演「福島原発事故を正しく理解し、那須町を希望の砦にしよう!」を聞きに行ってきました。会場に早めに行ったにもかかわらずホテルに入るエントランスには車の列、広い会場は完全に満員でした。いかに今みんなが聞きたい内容であるかということでしょう。 那須に工房を構える日大教授のこの地域向けの講演内容であったこと、考え方がシンプルで普段の自分の行動心理とかなりリンクする部分が多かったため今自分のなかで一番もやもやしていることがかなり解消されました。 福島原発から約100kmに位置する場所にまだ小さい子供たちと一緒に住みながら、あーなのか、こーなのか、どーするべきかと自分で色々考えていたこと、疑問に思っていたことの答えあわせができたのは自分にとってかなり大きなことでこれでやっと行動に移せます。今までは真実がわからず、それを推測することもままならずそれが悶々としたものになっていました。こうだと自信を持って決まってしまえば行動するのは、そのあと動きながら軌道修正するのは得意です。すっきりしました。 この講演は今後何らかの形で閲覧できるようになるんじゃないかとは思いますがとりあえずレポートとして自分の中での要点を何点か書きます。 「チェルノブイリのようなことが起こる可能性はまだあるのか?起こるとどの地域までどのようなことが起きるのか?」 あくまでこのような未来のことは推測でしか言えないのが前提ですが、推測するならこの手のことは最悪のシナリオを想定した方がよいという考えです。自分もそう思います。最悪の状態を想定していればなんにでも対応できるはずで、すべてにおいて行動しやすくなります。藤村先生の見解は確立は低いもののまだ水素爆発の可能性は残っていてそれが起これば最悪チェルノブイリと同じような状況が起きるというものでした。チェルノブイリの放射線の散布図を見るとわかることですが原発からの距離と放射線の被害レベルは全く関係なく風向きが全てです。チェルノブイリの場合、永久的に人がすむことのできない放射レベルの場所は風下では200km~600km先にまで飛び地で存在し逆に風上では原発から50kmの地区でも極微量の放射線量にとどまっている場所もあります。福島原発から600kmはちょうど大阪までの距離くらいです。つまり水素爆発がおこった時の風向き、さらにそこにどのタイミングで雨が降るかなどにより放射物質の散布状況はかわり原発を中心とした同心円ではないということです。最悪のシナリオは万一水素爆発で原子炉が破壊されたとき自分の住む地域が風下で放射能汚染され永久に人が立ち入ることが出来なくなることです。爆発が起きたとしてもおきた瞬間にどうこうなるのではなく何日もかけてじわじわと放射濃度が高まるので、その場合には距離ではなく冷静に飛散状況や風向きなどを見て安全な地域へ移住する。最悪のシナリオはこれです。ここまで覚悟して起きてしまったらそうするんだと心に決めてしまえばもう見えないものにむやみにおびえることもないです。 「放射線量と避難のタイミングは?」 最悪ではない場合でも住んでいる場所の放射線量がいくつになったらだめなのか?もう海外メディアを含め各メディアで放射線量や放射物質の飛散状況と人体への影響は情報が多すぎてどれの何を信用していいか疑心暗鬼なのは皆同じだと思います。色々な見解がある中で国の基準レベルの算出方法やその意味合いなどから、さらに乳幼児や妊婦にはより厳格なレベルで考えて以下のような表を一つの目安として出してくれました。 うちは乳幼児がいるので10マイクロシーベルト/時になったら屋内退避、30マイクロシーベルト/時になったら一時避難、300マイクロシーベルト/時になったら有無を言わさず緊急避難(最悪のシナリオ)です。 現在の那須はだいたい0.2~0.3マイクロシーベルト/時 で他の地域より高いので心配していましたが数字の内容や意味を正しく理解し国の基準の算出方法や意味合いを知ればなんにしても心配するレベルではなく安心しました。 それより数値がこれになったらこうするという目安がしっかり自分の中に定まったのが大きいです。そうなったらこうする。いたってシンプルです。今は正しい数字の動きを正しく常に監視する。大きいの小さいのという数字にだけびびっていても気持ちが盛り下がるだけで何の意味もないことです。 先生も言っていましたが、もう起きてしまったものは今更どうしようもなくもう元には戻らない。これからのベストな行動を前向きにするしかない。そのために冷静に正しい情報を得て行動するだけだと。大気、土壌、水、食物など正確な数値を常にいろいろな場所で観測し続け安全であることを確認し続けることが安心で、ただ安心だと思い込んでも安全ではないということです。安全ではない数値なのならどうすれば安全になるのか安全になる方法を実践するだけです。 そう考えると本当シンプルで前に向かって進むだけです。やっと行動してなんぼな自分のやり方がすっきりとやれると思うとかなり胸のつかえがとれました。 ただもうひとつ、起きてしまったものは仕方ないのですがこの事実を大いに反省し現状をみつめなおし原発をもつことの本当に意味を考え、原発事故が起きるとなにが起きるのかどうなってしまうのかを真剣に見つめなければいけません。 この意味でも起きてしまったものは仕方ないけれどそこからベストな行動を前向きにするだけです。間違いなくこのまま原発に電力を依存して電気をばんばん使っていく生活や経済がベストなものではないわけです。このまままた同じ道を行くならまたいつか同じことが起きる。そのうち地球上に退避できる場所なんかすぐになくなってしまいます。 日本から一基でも原発を減らす。できることなら日本から原発をなくすことがベストです。原発に依存しない生活と原発がなくても今以上に活力ある経済を生み出していくのがベストです。 なにはともあれすっきりしたので明日からもっと普段の生活やお店を頑張って、もっと被災地に目を向け被災した人達をサポートしていきたいと思います。